1年(高入生) 4月27日 寮生日誌
花はとても美しい。今日、私は勉強をしに図書館へ向かっていたのだが、その際に満開の桜を何本も見た。とても美しかった。桜を見ながら食事を楽しんでいる家族、観光客も多く見られた。桜は一ケ月も二ケ月もずっと咲いているわけではない。おそらく三百六十五日のなかで、だいたい三百五十日ぐらいは咲いていない。桜を見に来る人が多いのは、桜は少しの期間しか咲かないから。ピンク色の花を咲かせるのは今だけだから、見に来るのだろう。では、花の咲いていない桜の木には魅力はないのだろうか。特別に花を咲かせている桜の木だけにしか魅力はないのか。私はそうは思わない。咲くまでの準備期間である三百五十日が無くなってしまったら、桜は咲くことができない。そう考えた時、むしろ咲いていない三百五十日の方が価値があると思わないか。三百五十日の小さな頑張りが、積み重ねが桜の木を強く育て、あの美しい花を咲かせている。
私たちにも言えることだ。毎日の何気ない生活に大きな価値があり、毎日の小さな頑張りが、積み重ねが私たちを成長させ、大人へと導いていく。そんなことを考えながら桜を見ていた。
私は入寮してから本を読むようになった。特に小説。その影響だろうか、少し深く物事を考えるようになった。これも成長と言えるだろうか。