高校三年寮 寮生日誌(6月8日)


六月八日(月)
 

 コロナウィルスによる休校から明け、ようやくそれなりの寮生活を送れると思ったら…。

 マスク必須、食事と風呂の時間の変更、固定、加えて外出禁止。確かに不満があるのは事実だ。勉強だけに時間を割くのも躊躇される。せっかく久々に友達とも再会でき、一緒にいるのだから多少はやんちゃをしたい。

 このように思う人は多く、その多くが不平不満を言っている。

 しかし、疑問に思った。文句や不平を言うのは有意義か否か。この問いは子供の戯言と思ったら大間違いだ。全国各地から函館に帰寮し、このような状況下で僕達がすぐに外出することができたとしたら、多くのものにふれるであろう。そして多くのものを体内に取り入れる可能性もあれば、多くのものをまき散らす可能性だってあるのだ。それらを寮に持ち帰り、万が一寮がクラスターになることだって想定されるのだ。

 これは仮定の話であり、現実には起こらないかもしれない。しかし、それらの問題を考慮する義務が僕達寮生には課せられていると思う。僕は休校期間中に十八歳になった。十八歳とは一般的に選挙権も与えられ、有権者の一人として政治に参加することもできる。だが、親や他の大人達に助けてもらわなければ自由にはなれない。では、僕達は何をしなければならないのか。

 それは寮という社会の縮図もどきの単位で考えず、世間一般的な十八歳として思慮分別のある人になるということではないだろうか。然れば、大人に少しは近づけるような気がする。

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