高校一年寮 寮生日誌(5月20、26日)
五月二十日(土)
今日は土曜日だ。
午前中の間だけ授業があり、寮で昼食を食べた後に寮のピアノ室を貸り、戦場のメリークリスマスの練習をした。
僕は「ド」がどこから始まるかも全く分からぬピアノ未経験者です。
でも中学生のころ、坂本龍一さんの戦場のメリークリスマスを大好きになり、ずっといつか練習する機会を得られ、ピアノが弾けるようになれたらと思いながら中学生時代を過ごした。
そんななか、ラ・サールに入学、入寮し過去の願望も薄れ、ピアノは弾くものではなく、聴くものだとばかり考えていた時、四階の三年生の調理室前を何気なく通った時、調理室の奥、それまで気にもとめていなかったドアから久しく聴いていなかった戦場のメリークリスマスの旋律が漏れていた。
しばらくドアの前で聴き入った後、複数人に聞き込んだところ、同じ新入生のA君が弾いていたことがわかった。僕はすぐに彼にピアノをイチから教えてくれるよう頼んだ。すると彼は快諾してくれ、忘れかけていた情熱を向けることができた。
それからというもの、彼に楽譜を貸りて、音符の読み方を教わり、指使いをレクチャーしてもらい、一枚目の譜面を完璧に。そして二枚目もほどほどに仕上げることができました。
後は残り三枚。
夏休みまでに弾けるようなって、帰省した時、家族を驚かせることを目標に練習に励みたいと思います。
五月二十六日(金)
新入生も多くの生徒が部活動に加入し、以前よりも忙しい日々を送っている。
特に最近では義務自習中に居眠りをするなど、悪い方向に慣れ始めている人もいれば、テストが終わったばかりなのに居眠りすることなく黙々と学習に励む人もいる。後者の人はいずれ難関大学と呼ばれる大学に進学しているのであろうと考えている。自分もそうでありたい。
さて、ラ・サール生の生活面はどうだろう。
私が感じるところでは挨拶や返事に対する意識が下がってきているように感じる。
このような基本的なことができるかできないかで成績にも影響するだろうし、生活面もしっかりして学力向上に繋げたい。
最近、私が感じるのをまとめると規則を守る意識が薄らいできた人が多いのではということだ。寮という集団生活の場で、それをされると我々自身が困り、先生方にも迷惑をかけることになると思う。再び全盛期の函館ラ・サールを取り戻すには、まず基本的な生活習慣を見直すことが最重要だと私は思います。