高校一年寮 寮生日誌(5月10、11日)
五月十日(水)
ゴールデンウィーク帰省が一瞬で終わった。
四月中にゴールデンウィークまで頑張るというのが第一目標であったが、その目標もあっさりとクリアし、ゴールデンウィークを迎えた。
しかし、感覚的には五月二日に帰省し、三日には帰寮した感じだ。
やはり家のベッドの居心地の良さは違う。安心感がある。それに温かさもあった。帰寮し、すぐに家に帰りたいと思った。あの何も縛られない感じが良い。そして朝起きても学校に行かなくても良いという思い、そして学校があるんだという憂鬱感を味あわなかったのも良かった。
いつの間にか帰寮し、寮での生活が始まった。
正直、ずっと家にいてゴロゴロ何も考えずに生活したかった。
今は夏休みに合宿があるようなので、それを楽しみにまずはテストを乗り切ろうと思う。とにかく赤点を取らないよう、そして部活に出られないことがないよう頑張ってえテスト勉強をしようと思う。
ただ、物理が難しすぎて頭がパンクしそうだ。理科は本当に苦手だ。でも苦手を克服しなければなりませんね。
五月十一日(木)
函館ラ・サール寮に入寮し、おおよそ一ヶ月が経過した。
生活にも慣れ始め、入浴や食事の時間もサイクルがついてきて問題なく生活ができている。必要な物品は函館市内のあちこちに行き購入もしたので、生活にゆとりもでてきた。
しかし、新たな問題も出てきた。
それは人間関係だ。
最初の一週間はどういう人なのだろうと、よくわからない状況だったが一ヶ月も過ぎると、その人の素の部分というか、本当の姿が見えてくる。
最初はクールなキャラを演じていても、後々秘密が露見したり、ウケを狙った言動も面白い奴とヤバい奴に見えたり、一ヶ月でこうも人がわかるものなのかと妙に感心してしまう。
自分は落ちついて生活をしているが、他人の噂話や秘密に関してはとても過敏になっている。そしてある程度の情報網もできているので、相手の第一印象とは違う新たな何かを見えるように感じる。更に、自分とその人が合うのか、合わないのかということも冷静に判断できるようなったし、ある程度の距離感も持てるようになっている自分に驚いている。
これからはより人間関係が難しくなっていくと思う。
そして空気の読めない人は冗談やイジりが増えていくだろうが、そういう人は浮いてくるだろう。もちろんどのくらいが許された範囲なのかは個人にもよるだろうが、仲間との距離感を大切に保ち、学校生活、寮生活をこれからも送っていきたいと思う。