高3寮生日誌

 ◎八月二十九日

 三日後に願書提出、一ヶ月後に入試がせまり、いよいよだと感じる。一週間後に定期試験があるが、今はそれどころではない。七月から志望理由書や面接の準備などを進めてきた。その際、この五年間の自分の活動をじっくり振り返ることができた。長かったようでアッという間に過ぎていった五年間に思える。また、志望理由書の添削や推薦書など、多くの先生方に助けてもらった。両親や祖父や祖母を含め、たくさんの人が気にしてくれ、支えてくれたことで、ここまで来ることができた。入試を直前に控え、このようなことを感じるようになった。
 十一月一日の結果がどうであれ、後悔しないだけの努力を残りの一ヶ月でやっていきたい。これからの人生、上手くいかないことも沢山出てくると思うが、まず一つ大きな壁を乗り越えたいと思う。次の寮生日誌を書くときは、どんな内容が書けるだろうか?明るい内容になることを祈る。

 

八月二十九日

 疲れました。模試でした。なんで日曜日にやるんでしょうね。あ、まぁそれもいっか。なんであんなに時間がかかるんでしょうね。あ、まぁそれもいいか。え?なんでさっきからおかしいかって?そりゃもちろん、悪かったからですよ。模試が。いつも悪いんですけど、三年生のこの季節にあの悪さはシャレにならないです。ガチで。夏休みにやった記憶があるのに解けないという問題もたくさんありました。塾の先生方に本当に申し訳ない気持ちで一杯です。

 あと受験まで約百二十日。相当焦っています。特に数学。どうやって解くんですか、あれ。今日、隣りのK君がもの凄い速さで解いていて、自分のレベルの低さに悲しくなりました。医学部受けるってなると、やはりあれぐらいないとダメなんだなぁと痛感しました。まぁでも今僕にできることは問題を解くことなので頑張ります。自分の苦手な部分は分かっているので・・・
話は変わってオリンピックの話。今パラリンピックをやっていますが、やはりどちらが盛り上がると言ったらオリンピックでしょう。今回のオリンピック、色々言われていましたが、僕はやって良かったと思います。結局面白かったし。特に女子バスケ。エースが怪我で離脱している中、よく銀メダルを取れたと思います。そして男子バスケ。当たった相手が悪すぎました。強すぎ。それでもよく頑張ったと思います。今回のオリンピックは日本バスケ界に大きな光を灯しました。今後のBリーグ、Wリーグ、そしてもちろんNBAの日本人選手にも大きな期待を抱いています。ぜひ観てください。え?俺、今回まじめすぎん?

 

◎八月二十九日

 定期テストまで二週間を切った。私は指定校推薦なので、今回の試験で評定が決まり、進路も決まる(はず)。三年間の集大成として、このテストでは自己最高得点を出したいと思い、早い段階で試験勉強を始めた。失敗したら挽回できないので悔いを残さないよう最善を尽くしたい・・・と口では言っているが、最近は大学入ったらしたいことや将来像についてばかり考えてしまって、肝心の試験勉強が疎かになってしまった。本当に後悔したくないので、これからテストまでそのような妄想は控えるようにする。未来のことではなく、過去について振り返ってみよう。
 私が函館ラ・サールを志望した動機は「何となく面白そう」、それだけだった。地元にあまり入りたい私立がなく、ホントに「何となく」受験した。結局、第一志望の公立に落ちてしまい、「何となく」入学した。このように「何とな く」だけで入った高校だったが、約二年間、それなりに充実した学校生活や寮生活を送ることができた。今まで体験したことがないことを色々経験できたし、ずっと入りたいと考えていた大学にも「推薦」という形ではあるが、入ることができそうだ。コロナ禍という大変な状況でもラ・サール生はいつも通り生活していて、すこし驚いたと同時にラ・サールの良いところでもあると実感した。一年生のときは割と過酷な環境だと感じていたが、今振り返るとそこそこ楽しかったなで済んでしまう。恐らく、カタルシスだと思うが・・・。大学は全国から人が集まってくる。そのうち大半は共学出身者なので、男子校のノリは、ほぼ通用しないだろう。それでも学校生活や寮生活は貴重な体験談として何かと役に立つに違いない。あとは女子に対する免疫。ヤバい、本当にどうしよう・・・。試験終わったら考えよう(笑)。

 

◎九月十三日

 気が付いたら日が落ちるのが早くなっている。それに伴って気温も下がってきているので、服装についても季節に合った格好をして、真冬でも半袖短パン姿にならないように注意したい。しかし寮内であれば、半袖短パンだった自分を思い出したので、学校、外に限定したい。流石に学校や外であの服装にはなろうと思っても季節が季節なのでできない。そういう服装で一年中過ごす人々にはある種の敬意すら払おうとすら思ってしまう。あの服装で一年間生存できる人々には共通点がある。それは自分のようなヒョロノッポではなく、ほとんどが自分より見た目で分かるような豊満な身体かつ身長もそれほど高くない人々だ。いわゆるヒートテック、ではなくミートテックが備わっているかどうかが重要な点になっていると六年間の寮生活で先輩、後輩を見て学んだ。恐らく、この半袖短パン現象は今までもこれからも続いていくだろう。
 最近友人と中一からの思い出話が増えてきた気がする。良し悪しのある思い出だが、記憶が美化されたのか、ここに来て良かったと思う。残り少ない寮生活を仲間と切磋琢磨しながら大学現役合格を目指したい。

 

◎九月十九日

 もうそろそろ九月も終わりである。入試も迫ってきて少しビビっています。この前の模試では、国語と英語が合格基準に達しておらず、少し落ち込みました。もう時間がないのに英語ができるか不安です。
 あと、退寮も少しずつ近付いていて、この約六年を振り返ると最初は最悪だと考えていましたが、一年一年他の人達と生活していて、すごく良い場所だと感じました。中学から問題も多く、最悪の十八期と呼ばれていましたが、やはりそれでも良い所や雰囲気はあり、思い出として残っています。最近では部屋でもそのような話をよくしています。
 推薦がもう始まるので、自分より先に受験に臨む人が一人でも多く受かることを願っています。

 

◎九月二十日

 ラグビーの大会が近い。九月に毎年行われている全道大会は、今年は月寒ではなく函館開催である。昨年とは違い、今年の出場枠は一枠なので、ホームグラウンドである函館で山の手に勝ちたい。高校時代最後のラグビーなので、全力を出せるように練習に励んで大会に挑みたい。
 全道大会が終わると、次は自分の推薦入試がある。小論文を書くのが難しく、四苦八苦している。先生にも見てもらいつつ日々頑張っています。体育学科に進むので、試験科目に実技も含まれるので心配です。とりあえず、大会と推薦に向けて励んでいきます。

 

◎九月二十三日

 寮生活も残すところあと四ヶ月ちょっととなった。時の流れの早さを実感する。そしてこの寮生日誌を書くのも、あと四回程といったところか。
 いよいよ受験シーズンの集大成にさしかかろうとしている。そんな中で私が心掛けていることがある。それは苦しいのは自分だけではないということだ。みんなが険しい道を歩んでいると思うことで、自分が楽な思いをしているということは、ライバルからつき離されているという証拠だ、と心に刻むことで何とかなっている。しかしそれでも思うようにはかどらない、どうしたら良いであろうか。
 話は変わるが、私は高校寮四階から見る景色は最高だと思っている。何が最高か。それは景色が素晴らしくきれいで、そして周り遮るものが何もないこともあり、とても遠くまで見える。夜は夜景や星空を心ゆくまで鑑賞できる。夕日や夕焼けは、とてもきれいだ(チンダル現象によって生じる「天使のはしご」などなども見られる)。
 さて、共通テスト本番まであと百十七日である。悔いのない生活、悔いのない勉強をしていきたい。

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