高校二年寮 寮生日誌(11月1日)


十一月一日(金)

              

 今日はキリスト教では諸聖人の日。

 カトリック教会の祝日の一つで、全ての聖人と殉教者を記念する日であり、翌日が死者の日となる。

 学校では追悼式が実施された。これまでは何気なく参加をしていたが、今年はどうしても先日亡くなった祖父の事を式中に考えた。

 祖父には物心がついた時には送り迎え等もそうだが、いろいろな事を含め、本当にお世話になった。今年の春に函館に来るまでは九十歳ぐらいまで生きるだろうって思うくらいとても元気だったのが、胆のうの手術をしてから食欲が一気になくなり、食べられなくなったそうで、夏休みに帰った時は僕よりあったであろうウエストが一気に細くなり、祖父と会った時には驚いてしまい、正直泣きそうになった。それと同時に祖父が「もうダメだ」と言っていたことを鮮明に記憶している。夏休みが終わり、帰寮した後、九月の始めに最後の面会と思い、祖父に会うために帰省した。その時はもう話していることもわからないというか、理解もできないような状況だったが、祖父は僕にたくさん話しをしてくれた。そして、僕に一言「頑張れよ」という言葉だけが聞き取れた時、思わず泣いてしまった。

 今となっては大好きな祖父にお礼も言えないが、本当にお世話になった。

 あんな苦しい状況下でも僕のことを思ってくれて、僕にエールを送ってくれた祖父。

 祖父を裏切らないように、これから頑張っていきたいと思いました。


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