高校二年寮 寮生日誌(11月10、13、18日)


十一月十日(日)
 

 近頃、寮内は殺伐とした雰囲気が流れ込んできている。原因は来年の四人部屋の部屋組みである。内進生は大部屋時代を含めて五回目。四人部屋に限れば三回目になるので正直なところ毎年恒例感はある。それでも余裕綽々たる面持ちでやり過ごせる程ぬるい問題ではない。特に今回は寮生活において最後の一年を共にする人を決め、更に己の人生をも決めることになると言っても過言ではない。それを思えば、皆文字通り、必死になるのも想像がつく。この時期になると人間の本性が丸裸になるので驚愕と共に恐怖を感じる。化けの皮は次々と剥がれ、嘘も一瞬で見透かされる。人は何と醜い生き物であろうかと思うのだが、その度に人はこうして人を知り、成長していくものだと高校生ながらにして老けたことを考えるのである。

 冷静に考えてみれば、私達以上に人間関係という人生において永遠かつ最大の問題に真向からぶつかり、苦慮している高校生はいるのだろうか。今や手のひらサイズの板の中で何でも済んでしまう時代である。あまつさえ生身に触れたこともなければ肉声を聞いたこともない人物の操る零と一のシグナルを友達とまで呼んでしまう始末である。時代の流れに乗れていないと言われれば弁解の余地はなく、それによる弊害も否めないのかしれないが、それでも人として大切なものを学び、大人への階段を着実に一歩づつ進んでいる最中なのだということを信じて違わない。

 

十一月十三日(水)

 おい起きろ!シーツ交換だぞ!

 部屋員の人に起こされ、慌てて起きた。二十一時三十五分だった。

 自分が休み時間に寝てしまったことに気付く。そして目が半開きの状態でシーツを折りたたみ、チェック係の人に「ごめん!」と言い、シーツを提出。ここでようやく事がすんだと思ったら、何とシーツを取り付けていないではないか!急ピッチで取り付けたものの、点呼に間に合うことがなかった。大失敗だった。だからといって、やらない訳にはいけないので、点呼後の三分後には完了した。そして今、寮生日誌を書いている。

 ここで自分が最近考えている将来の事について書きたい。

 まず、自分は大学に行ったら、何を学びたいのかというと地理学と教育学で、将来社会科の教師になりたいと考えています。次に志望する大学ですが、地理も歴史も両方学ぶことができて、なおかつ学部共通科目では教育にとらわれない幅広いテーマが選択でき、理系と文系の学生が一緒に学べ、異なる視点から意見を交換する機会も多い、早稲田大学の教育学部地理歴史専修科です。

 なぜ、このことを書こうかと思ったのかというと、このように公言した方が志望校へ向けて頑張れるし、他人に〇〇君、どこの大学に行くの?なんていうプレッシャーや圧力から逃れることができると思ったからです。高校受験の時はクラスメイトからどの高校に行くのかを教えなかったら、クラスの人達から物凄いプレッシャーが来て、それが元でストレスになってしまい、受験に失敗した苦い経験がありました。大学受験では失敗したくないので公言しました。精一杯頑張ります!

 

十一月十八日(月)
 

 昨日のクリスマス会で見た「君の膵臓を食べたい」という映画はとても面白かった。いや面白かったというより、とても感動した。やはりこういう映画を見た後に思うことと言えば、自分もそうだったら…と考えてしまう。しかし、それは叶わない夢である。まぁ~そういった妄想をするのも悪くないなと思った。普段あまり映画を見ることはないので、今日の映画で人にしかない感情を良い意味で刺激してくれました。

 最近はやはり寒いです。

 朝は全体的に起床が遅くなりがちだ。何となく仕方がないことかなとも思う。起床はあまり遅くならないようにしなければという意識を持ちたいと思う。

 朝、目が開かない日なんて全く眠気が取れず、その日の午前中はとてもけだるい時がある。それでも授業は真面目に受けなければならないので、これからも頑張りたいと思う。
 

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