内進高1寮生日誌


◎六月五日

 速歩明けの臨時休業日。速歩の疲れは次の日に出てくる。というのも、ほとんどの人が今日の方が足、腰が痛いと訴えていたからである。僕は、この速歩を通して大いなる達成感と共に身近な危険の恐怖を感じた。いや、後者の方が感じ方的に大きかったと思う。特に恐いなと感じたのは熱中症である。自分も走っている途中に気持ちが悪くなり、一緒に走っていた人に謝り、先に行ってもらった。今思えば、それは正しいことであった。あのまま走っていれば、関門に着く前に倒れてしまったであろう。実際、ゴールしてから倒れてしまい、救急車で運ばれてしまった人もいた。自分がどのくらいの力を出せるか、などという自分自身のレベルを確認しなければいけないと悟った。 このように運動中に起こる症状は、意外と恐いものだなと感じることができた。達成感もあったが、とりあえず今も続いている下半身の痛みに悩まされている。明日は体育だというのに、どうやらこの痛みは当分続くだろう。今は階段を上がるのが精一杯である。



 

◎六月十日

 私は今日、学校で駿台模試を受けた。以前、学校からアンケート用紙を配られ、最初のうちは受けないつもりでいた。しかし、周囲の人が受けることを知り、自分の現実を知る良い機会だと思い、受けることにした。 駿台模試は、全国でもトップレベルの学校の人々が受けるので、とても難しい模試とは聞いていた。実際に受けた結果、やはり難しかった。一教科百分のテストであったが、足りない教科もあった。英語と数学に関しては、一問一問が重く、スラスラ解けるものではなかった。また、国語に関しては、物語文と説明文の両方が長く、読んで理解するのに時間がかかった。
 寮に帰って自己採点をしたところ、やはり満足のいく結果ではなかった。改めて、勉強だけではないが、人生の全てにおいて奇跡は起きないのだということを実感した。日々コツコツ努力を積み重ねていこうと思う。



 

◎六月十二日

 今日は学校で芸術鑑賞会があった。中一からピアノ・劇・ジャズときて、今年は落語だった。落語は今まで聞いたことがなく、また興味もなかったので、本当に面白いのか心配だったが、始めての落語は自分が想像していたよりもかなり面白く楽しむことができた。うどんやそばをすする音が上手に再現され、オチもしっかりとあり、とてもレベルの高いものだったと思った。
  放課後の部活では、イタリア対日本のラグビーワールドカップ予選を観た。自分はラグビー部に所属しているが、見習うところがたくさんあり、練習でも今日のビデオの事を思い出しながらプレーしていきたい。テストまで三週間程あるが、少しずつ今から対策して学園祭まで気持ち良く過ごせるようにしたい。

 

◎六月十七日

 高校生になってから勉強がものすごく大変である。量は五~十倍以上は軽くあるのに時間が全くないと感じている私に対して、席が隣で学年トップの友達は、先日、センター試験の数Ⅰの過去問を解いたらしいのだが、時間を半分以上余して全体の九割五分以上の点数を取れたらしい。彼は、本当にすごいと思うし尊敬している。「あまり人と比べないで、自分と戦え!」と周囲の人々はよく言うし、自分自身そう思っているが、他人がいてこそ成立する自分なのだから、人と比べるのも大切かもしれない。
 大学入試まで千日を切り、私は、今、様々な模試にチャレンジしている。その結果で他人と比べて喜怒哀楽するのも分からなくもないが、自分は自分で解き直しするのがベストだ。しかし私は、この区別がここ最近明確でなくなってきているので、気を付けて励みたい。

 

◎六月二十二日

 夏本番が近付き、寮内でも常に半袖短パンの人が大部分を占めるようになりました。今日も本州の方で三十℃オーバーを記録する地域が続々と出現していて、今年一番の暑さとなった所もあるようです。一方、一つだけポツン・・・と二十五℃と表示されている北海道は平和だなと感じました。今週末は売店のアイスの売れ行きが右肩上がりでしょう。
 唐突ですが、高校生って大変です・・・。この四月から明らかに勉強を筆頭として余裕がなくなっています。今日も十八時四十五分に部活が終わり、五分で帰って十分で夕食を食べ、十五分で風呂に入り、今この状況です。とにかくやらなければならない事が多すぎます。この文章を書いている最中でさえ、数学の演習、世界史の暗記、古典のまとめ等々の項目がノンストップで脳内を駆け巡っています。僕たちに安眠の夜はくるのでしょうか。しかし、こんな時だからこそ得られるものもあると思います。それは効率、全ての人が追い求めているものの、なかなか手にし切れていないものです。限られた時間の中、最少のエネルギーで最大の利を生む。これが出来る人は何においても人より秀でると思います。これは一朝一夕で身に付くものではないと思うので、日々意識していなければなりません。間もなくテスト一週間前に突入します。前回の自分を突破すべく自分なりに効率良く勉強したいと思います。

 

◎六月二十三日

 第二中間まで今日を含めて後十二日である。高校へ入ると自分の成績や業績(活動)によって大学が決まるようになる。この前、LHRの時間に全高一生を集め、これからの大学についての説明が上記の通りにされた。やはり大学は、様々な選択肢があり、色々な観点から選ぶことができるので楽しい。しかも私が選んだ大学は図書の蔵書量が多いから、暇な時には片手に本を持って、読んでいるかもしれない。話を戻すが、大学はグローバルに世界を生きていける人材を手に入れ育てるために、このような体制になったのだろう。勉強しかできないだけではダメ!人とのコミュニケーション能力もあり、社会への適応力もある人が求められているようだ。私はこの寮生活を通して様々な事を経験してきたが、中には本当に辛い事もあった。しかし私は、それらを乗り越えて、ここまでしがみ付いてきた。私以外の内進生もそうであろう。彼らも私と同様に様々な事を乗り越えてきたのだ。私は思うのだが、私達のこの記録は評価されるべき事であるはずだ。しかし、中には(私も)勉強の出来が悪い人も当然いる。今まで、過酷な生活を長期間過ごしてきたにも関わらず、成績不振という理由で行きたい大学へ行けない、これ程、悲しい事はあるのだろうか?そうならないように頑張らなければならない。

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