高二寮生日誌(九月十八日)

九月二日

 根性論と書いてどう思うでしょうか。どこか男っぽいというか…そんなイメージがするかもしれません。僕は根性論、結構好きです(バリバリの文化部)。
後輩の面倒とかを見てきて思うのが、正論や事実ばかりを言っていても、何も上達しないんですよ。ましてや「音楽」という形もないし、人の感性によりけりなモノをやっていますから、始めたばかりの人とかには僕の中にある「イメージ」が伝わらないんです。そんなとき、「こんな感じ」を伝えて、後は「やってみろ」で「がんばれ」なんです。
 音楽は知的な遊びですが、そこに行くまでがただひたすらに曲を聞きまくって感性を鍛えるしかないんです。そして最後に頼るのが根性とか気合。また、不思議なことに、この気合とかが、お客さんや、審査員に伝わったりするんです。レベルが高くなればなるほど、根性や気合は大切だと僕は思っています。これからあと一年ちょい。後輩達に根性を説いていきたいと思います。


 九月三日
 
 先日、アドルフ・ヒトラーの「わが闘争」(原題Mein Kampf)を買ってきた。いや、別にネオナチとかそういうんじゃないですよ!? 常識として触れておこうと思っただけですから。
 しかし、何故か書店に上巻しかなかった。下巻はどこにあるのやら。何とかして買いたいです。
 この本は、みなさんご存じヒトラーが自己の思想を全てまとめたものです。ナチスの「聖典」とされていたようで、1923年ミュンヘン一揆失敗ののち、監獄の中でR・ヘスらに口述筆記させたものです。1925年に出版されました。上巻を読んだ限りでは、回想録的な叙述が多いですね。
 しかし、主張としてはユダヤ人の排斥とアーリア人種の優越性、スラブ民族の奴隷化です。適者生存という社会ダーウィン主義の影響を強く受け、人種主義の「世界観」を構築している。さらには、徹底した大衆蔑視のもとに展開される大衆操作論を論じている。「大衆はおろか」なのである。扇動の政治技術をテロルと結び付け、反民主主義に応用している。
 また、議会民主制反対、独裁政権樹立、社会福祉の拡充、中間層と農民の保護、イギリス-イタリア-ドイツの同盟により、フランス、ソ連と戦い、ゲルマン民族の居住地を東に求める「東方生存圏」にも言及している。
 現在、ナチスを批判し、全否定することが多いが、彼らは最初から国民の支持を受けて成立し、最後まで支持されていたということを「民主主義」を標榜するなら忘れてはならないと思います(やったことは僕も支持できないが)。

 

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