五月三十一日 高三寮生日誌
五月五日
孤独の生活も三日目が終わる。将来一人で生活するようになったらこんな毎日が続くのだろうか。こんなに暇になるとは思ってもいなかった。誰か一人ぐらい残るだろうと思っていたが、他の部屋員全員が帰省してしまった。その内の一人になぜ帰省するのかと聞いてみた。すると返答は、「帰りたいから」。何とシンプルな理由だろうか。否定する気も失せてきた。「勉強しないだろ」と言うと「いやいや勉強してくるから」と言っていた。僕はその言葉を信じてはいない。勉強していたかどうかは約一週間後にある第一中間テストでの結果が全て語ってくれるだろう。そして気付くはずだ。GWは家に帰るべきではなかった事を。
五月七日
今日でGWも終わりだと思うと少し寂しいです。このGW,本当ならもっと勉強しているはずだったのに、やはり予定は上手くいかないものですね。
GW中は天気のいい日が少なく、本当だったら行く予定だったスケッチにも行けなかったのが心残りです。私の部屋は、一人が帰省、一人が遠征に行っていたので、二人で過ごしていました。実はGWに帰省をしなかったのは今回が初めてで、最初は退屈なんじゃないかと不安でしたが、自習時間以外はたいてい何人かが部屋にいたので、そういうことはありませんでした。何かの行事があると「これが高校生活最後の~なんだな」と思うようになりました。最後の一年、何か思い出を作りたいと思うのですが、なかなか思いつきません。何かいいアイディアはないものか。
なんだかんだいって、もう少しで第一中間テストですね。私は定期テストの結果が進路に直接影響を与えるので、今まで以上に気を引き締めて頑張りたいと思います。
五月八日
函館ラ・サールに来て良かったと思うことがたくさんある。その一つに個性というのが挙げられる。ラ・サールにいる人は皆が個性が強い。アイドルが好きだったり、マンガを愛していたり、テレビをいつも見ていたり、廊下ではやりの歌を全力で歌っていたり、一生懸命勉強していたり、食堂のメニューを完全に把握していたり…。今までの人生では考えられないことだ。そういう人達と一緒に生活できていることは何て幸せなのだろうかと思う今日である。中学生もとても個性が強いといつも思うのだが、最近中学生のK氏の個性が面白いことに気が付いた。中学寮と高校寮は別生活なので、会えるのは食堂ぐらいだが、彼の個性は本当に面白い。彼を見ていると何故か癒される。そしてモチベーションにもなるのだ。部屋員は皆、K氏の虜になっているし完全に彼推しだ。いつかそのうちK氏には声を掛けて仲を良くしたいと考えている程だ。これからもK氏を観察していきたいと思う。自分は今年受験があり、少しずつストレスが溜まってくると思うが、K氏というモチベーションを使っていければと思う。
五月二十一日
もう高体連まで残り数日となった。前回の大会で自分たちは四強に入っていないので、シード権がない。それに伴って一日二試合こなしていかなければいけない。高体連の組み合わせの結果、函工の山に入れた。首の皮が一枚繋がった。キャプテンはしっかり左手で引いてくれたらしい。さて、函工の山、一日目で第一試合に勝てば、第四試合で函工と勝負できる。この大会で大一番の勝負だ。言ってみるなら「勝てば全道」「負ければ引退」。函工とは新人戦の時にも四強決めの際戦った。その時はラストの五分で逆転され、全道を逃した。それから自分たちは、「ひたむきな努力」を積み重ねる事が出来たと思う。この言葉はNBAのボストン・セルティックスのコーチの言葉で「ひたむきな努力なしに成功する方法というのは偽物」「努力することによって自分が成功に値すると信じれるから自分の勝利を確信できる。」自分は、駒大苫小牧高校で「龍姿即心」の心得を知り、生活を根本的に見直し、バスケに打ち込んだ。チームの勝利へのためであれば、足がもげようと走ってやろうと貫いた。新人戦の借りは返させてもらう。
五月二十二日
五月ももうすぐ下旬となり、最近はとっても暖かい日が続いています。少し前までは、雨が降っていたせいもあってか、少し肌寒く地元ではありえないぐらいの気温でしたが、ようやく春らしくなってきました。
自分は軟式野球部に所属しています。そして、軟式野球部は、明日明後日と春季大会があります。明日勝てば明後日に決勝戦となり、決勝戦で勝てば夏の大会のシードが取れます。勿論、優勝を目指していますし、できるとも思っていますが、一戦一戦をしっかりと、まずは明日の試合で勝てるように頑張りたいです。
前期第一中間テストが終わりました。結果は散々でした。最終目標は受験なので切り替えていきたいです。来週模試があるので、そこでまずはいい点を取れるように勉強します。気が付けば高三も二か月が経ちます。受験までの残り時間も減っていますが、同時に、あと一年もしないうちにラ・サールを卒業するのだと思うと少し寂しく感じます。一日一日を大切に生きたいです。