内進高1寮生日誌
◎五月五日
高校生としての生活が始まって早くも一ヶ月が過ぎた。多少変わった部分もあるが、寮生活と言う大枠の中では中学生と大差なく、生活には十分慣れた。互いに探り探りであった外進生とも徐々に接触し始めていて、彼らも寮での生活が段々と分かってきたようである。相互に切磋琢磨できる良きライバルとなれることを願う。ただでさえ、私達高校五十九期生は人数が少ない。人数が少ないという事は、人間関係において逃げ場が少なくなってしまうという事を意味している。だからこそ、この関係を活用し、高め合えるようにしたい。
昨夜、友達とラ・サールに来て後悔しているか否か、という議論をした。ちなみに私はここに来て寸分の後悔も見出してはいない。だが、彼は私と相対的に後悔を抱えているようだ。ここで私が思ったのは、まさに“置かれた所で咲きなさい”という言葉だった。そもそも後悔というのは選択の上に成り立つものだと思う。だから、今悔いていたとしても、その当時、自分の選択が最善のものだとすれば、それはそれで自信を持って良いのではないか、むしろ、もう過ぎた話なのだし、今の現状でいかにベストを尽くすか、という所が勝負になると思う。未来の自分に自信を持てるように今のうちから最良の選択をしていきたいと思う。
◎五月六日
今日は久し振りの休日だった。3泊4日という過酷な遠征を耐え抜いた待ちに待った休日だった。遠征中、何度も辛いことがあった。しかし、今日のこの休日に何をするか色々な想像をして楽しみにすることで耐え抜いたのだ。そして朝しっかり起きれるように前日は計画を立て早めに寝たのだ。しかし、今日起きた時に絶句した。何と十一時だったのだ。すでに半日が過ぎようとしていたのだ。二度寝すらせずに、そんな時間まで寝ていたことは今まで一度もなかった。そして立てていた計画は破綻し、出かける気力も出ず、ダラダラと貴重な休日を贅沢に過ごして今に至る。せっかくの部活のない休日をダラダラと過ごしてしまうのは、とても虚しい。明日こそは大切に休日を過ごしたいと思う。
◎五月九日
今日は高校生になってから二回目のタイムキーパーだが、ちょうど第一中間テストの一週間前でもある。高校生になってからは、毎日の自習にしっかり取り組んでいたつもりだったのだが、昨日やることリストを作ってみると、やることが多すぎて終わらないかもしれないという緊急事態が発覚した。部活も高校になり、より大変になったので、時間もなかなか取れなかった。義務自習で完結させるためには、もっと計画をしっかり立てないといけないなと思い始めている。友達にも言われるのだが、自分は効率が悪いらしい。計画を立ててギチギチにするのが嫌なのだが、効率を良くするために、そうする方が自分にはよいのかもしれない。中学生の時は、まだテスト一週間前にやれば何とかなったが、高校はそうはいかない。化学の先生が言っていたが「高校一年生の時に勉強の習慣を付けられるかどうかで将来が決まる」というのは本当だと思う。毎日三十分でも義務自習の他に勉強することが出来れば、義務自習しかしない人と一週間で約四時間、一ヶ月で約十六時間、一年で約二百五十六時間、三年あれば約七百六十八時間、つまり約三十二日も差をつけることが出来るということなので、一日一日を大切にしていきたい。
◎五月十二日
本当は、僕は今日、部活の当番校業務があったのだが、昨日なぜか今日の分がなくなって月曜日だけになった。普段なら嬉しいのだが、なにせテスト前なので、公欠するとそこの内容がキツくなるが、何とか頑張りたい。日程が順調にいけば僕が業務をしている間、メンバーに選ばれた人は試合をするので頑張ってほしい。今回、自分はメンバーに入ることが出来なかったので、まず今回のテストを気持ちよくクリアして文武どちらも力を伸ばしていきたい。親からの手紙には、いつも「大学入試」「部活」という字が書いてある気がする。メンバーを外れたと電話したら心配してくれたのか便箋二枚に渡って励ましてくれた。しかし、その後には勉強の事もしっかり書かれていた。最近、部活でも勉強でも今まで使ったことがないくらい頭を使う。その分疲れるが、応援してくれている人がいるので、必死に頑張りたい。まず来週水曜日からのテストをしっかりクリアして、目の前のこと一つ一つしっかりこなしていける自分になっていきたいです。