新高校三年 寮生日誌(4月14日)
4 月 14 日(木) 千葉ロッテマリーンズファンの私が何を取り上げるか、勘のいい方ならもうお分かりだろう。 4 月 10 日に完全試合を達成した佐々木朗希投手だ。彼の投球は凄まじかった。ストレートの平均球速は160km / hを超え、フォークの落差は大きく、多くの空振りを奪っていた。カーブは滅多に投げないが、その分意表を突くことが出来た。そんな彼は、高校時代とプロ一年目で非常に大事に育てられた。高校時代には監督が前日に先発登板した佐々木の体を心配し、県大会決勝で登板させなかった。チームは敗退し、その采配が物議を醸したのは記憶に新しい。プロ一年目でも一軍、二軍共に登板なしと身体作りに専念した。このように、彼は無理をせず着実にポテンシャルを発揮していった。「令和の怪物」は無理をさせない育成法で生まれたのだ。 実は、彼が完全試合を達成するまでの過程は野球ファン以外からも注目されている。 4 月 10 日の朝日新聞でこんな記事が出た。佐々木朗希のじっくり育てる育成法についてある企業の幹部が「じっくり育てなければいけないのは企業も同じ」「新卒は長い目で見るのが重要」と話した。 受験業界でも同じだ。推薦入試で採った学生は将来スター候補、一般入試で採った学生は即戦力と言い換えることが出来る。最近、多くの大学で推薦入試の枠が新設、増設されているが、これは学生のポテンシャルを重視する入試の在り方にシフトしていると言えるだろう。 このように、往年の「競争させて勝ち残ったものを重宝する」育成法から、「ポテンシャルを買い、長い目で見る」育成法にシフトしているのはスポーツ界だけではないと分かる。何もすぐに結果を出さなければいけないわけではない。のんびりと着実にステップアップしていけば、佐々木朗希選手のようなスターになれるのだ。