新高校二年 寮生日誌(4月17日)
4月13日(水)
新学期が始まってから、早くも二週間が経とうとしている。新しい環境に少しずつ慣れてきて、 毎日充実した日々を送れていると思う。しかし今、不安や悩みなどを心に抱えているのは新入高一の人達だろう。僕はチューターとして約二週間彼らを見てきたが、きっと彼らはまだ猫を被っているだろう。入寮してきたばかりは何とか孤立しないよう、他の人と仲良くできるよう自分のことよりも他人のことを優先させてしまっていたことだろう。僕もこのことは悪いとは思わない。
しかし二週間ほどたった今、その生活にしびれを切らしている人がいるだろう。しかし、もし自分の本性が今仲良くしている人に受け入れられなかったらどうしようなどと考えてしまう人も中にはいると思う。そういった葛藤があるために、心の状態が不安定になり様々な問題に発展していってしまうということも考えられなくない。僕も実際に、この経験を中学の時にしているため、新入高一の人達の気持ちもよくわかる。
だから、僕ができるアドバイスとしては本性を隠して仲良くなった友達は長続きしない人もいるということだ。実際、僕は最初に仲良かった人で今は仲良くない人がいる。そして最初は仲良くなかったけど今は仲良い人だっている。このことを通して、僕は一番強調したいことは大体のことは時間が経てば変わるということだ。この変化していく中で自分がどんな選択をするかでここでの生活は変わってくると思う。
4月14日(木)
春季休業が明け、外出禁止も解除され、ようやく部活動が再開された。それと同時に自分が高校二年生になったのだという実感も湧いてきた。昨年とは異なり部活動において後輩ができ、今シーズンの大会に向けてのレギュラー争いもこれからもっと熾烈になっていくだろう。その中でどうやってレギュラーを勝ち取るかを試行錯誤し、その上で努力を重ねて試合で活躍したいと思う。
話は変わるが高校二年生になった今、真剣に取り組み始めたことがある。それは勉強だ。気がつけば受験まで残り一年半となってしまった。昨年まではまだ時間があるなどと考えていたが、正直その安易な考えは良くなかったと思っている。それに気が付けたのが三年生になってからではなく二年生になった今であったのが、不幸中の幸いと言えるだろう。今年は部活動の方も忙しくなるだろうが、勉強の方も疎かにせず、両立を目指したいと思っている。
4月16日(土)
学年が変わり、多くの変化がある内で一番変わったなと強く感じるのは後輩が出来たことだ と思う。去年までは中高それぞれ3カテゴリの中で高一学年というカテゴリに属していた訳であるから当然下には三つの学年がいたのだけれども、僕は高校から入ったので、本当の意味での後輩というのは、今年初めてできたのだと思う。
別に彼らが入ってきたから特に何かが変わるわけではないが、一般的に言われる「良い先輩」でありたいという思いが多少なりともあったりする。
また、もう一つ、学年が変わり強く感じていることは残された時間の少なさだ。これは高校生活という大きな枠組みの中から部活そして受験という様々なことにおいて、最近ひしひしと感じている。イメージを共有すると今までは空っぽの砂時計の中にどんどん砂が入っていくイメージだったのだが、今では一日一日、残りの砂の量がどんどん少なくなっていくような感じがする。
少し早すぎる気もするが僕たちの学年は現行課程最後の世代ということもあり、こと受験においては一般的な今までの高校生より、客観的に見ても残された時間は少ないのかもしれない。そんな時間を大切にしなきゃと、小さく笑う今日この頃である。