内進高1寮生日誌


◎十一月二日

 後期第一中間が近い。非常に焦っている。本当に時間が足りない。高校になってから量・質共に段違いにレベルが上がり、その上日々の予習・復習や不規則的に課される宿題、そしてその他の仕事(例えばコレ)等々のお陰で前々から計画していたことや頭の中で練り上げていたプランがことごとく無に帰す。“事前に計画的に・・・”などとよく言われるが、それを意識していても覆されることがあり遺憾極まりないのだが、これも高校生活の忙しさ、と割り切って皆毎日過ごしているのだと思う。
 今年ももう終盤である。十一月に入って寒さも一層厳しくなった。今年の正月は平和に迎えられるのだろうか。お汁粉をすすりながら新年のテレビ番組をのんびりと見るという何とも微笑ましい光景を夢見ている。目下勉強に追われ、物思いにふけている暇などないことは重々承知の上だが、それでも葉を落とし終え、丸裸となった木々を見て、時の早さを感じずにはいられない。ついこの前、高校生になったと思った次の瞬間にはもう“今”である。この調子では高校卒業、延いては受験までは三拍子くらいで事足りてしまうのではなかろうか。日々の生活を無駄にせぬよう心掛けていきたい。

 

◎十一月七日

 後期第一中間が終わったと思うと「ああ、もう後期中ごろか・・・」とよく考える(年寄か!)。 中学と違ってヤル気(?)の入り込んだ我々高校生。余裕ぶってやらかす人もいれば、「できない、できない」とか言って結局点数高いヤツもいる。まぁ、そんなことはどうでもいいが・・・ 勉強面以外に視点をおくと、多くの人々は趣味があって、それに気合いを入れているやつが多い。中には気合いがありすぎて危険なヤツもいるが・・・まぁ、やりたいことがあるのは良い事である。 ところで、どうしても考えてしまうのが自身のやりたい事である。正直、将来何をやりたいと言われてもマジメに考えてはいない。「さて、これからどうしようか」と次の事を考えても、あまりにも先のことはほとんど考えることはない。しかし、ただ一日一日終わっていくのを見ているのはイヤである。









 

◎十一月十二日

 高校生になると、悩み事というものが増える。勉強、進路、部活、人間関係。世間的に言われている多感な年ごろをこの寮で過ごす訳だから、その悩み事も多くなると思う。沢山の人が周りにいるのだから、かえって一人の時間というものが際立つ。そういうときにあれこれ考えてしまうのだ。僕も中にあまりつまっていないスカスカな頭でわりと真面目に色んなことを考えるのだ。そして何とか結論を出すのだが、それでも次の日にはその結論が結論に思えなくなり、また一から考え直す。それの繰り返しである。そして、そのうち時間が経てば、そんなに大それたことでもない気がして、いつの間にか悩み事じゃなくなる。または、その前に解決している。しかもこの流れというものは、時に並行して数が多くなることはあっても、絶えることはほとんどない。死ぬその瞬間まであるのだ。なんだか将来というものが少し面倒くさそうに見える。それでも悩み事が全くない人生というのも、それはそれで悲しいし、何だか嫌である。そういえば、最初に「高校生になると・・・」なんて書いたが、大人になったら、それ以上に悩み事は増えるだろう。それは面倒そうだが、そうならないと、それはそれで嫌である。何だか矛盾しているようだが、世の中というものは、きっとそんなものなのだろう。もういいやー。こんなことを考えている場合じゃないな。もう冬である。

 

◎十一月十四日

 ここ数日間でだんだんと肌寒くなってきた。しかしまだ雪が降っていない。昨年の今頃は、もうとっくに雪が降っていたような気がする。もう十一月の中旬だというのに北海道の全地域で雪が観測されていないらしい。これは130年振りのことだという話を聞いた。今年は雪の量も少ないらしく、もしそうなると4年連続雪中運動会中止ということになってしまう。この学年の内進生は、まだ一度も雪中運動会を経験したことのない学年である。今年こそは、今年こそは、今年こそはと思い続けて早くも4年が過ぎてしまった。毎年毎年メンバー決めや予行練習をするが、無意味であった。もう雪中運動会は廃止すべきという声もあるが、6年間で一度くらいはやってみたい気持ちもある。今年こそは念願の雪中運動会が出来ることを願いたい。

 

◎十一月十六日

 日没時刻が早くなって、部活の終わる時刻も早まってしまった。シーズンが終わり、大会がなくなり、モチベーションが少し下がってしまう。勉強も同様に模試や定期試験がないと油断してしまう。しかし、部活も勉強も日々の積み重ねが大切。それは分かっているのだが、なかなかできない。いつも楽な方に逃げてしまう。結局、大会前や試験前に一応は一生懸命やるけど、結果は出ない。その繰り返し。こういうときは、どうすれば良いのだろうか?どうヤル気を出せば良いのだろうか?ヤル気の出し方について、それが本になって売っていても、所詮大人が書いたきれいごと。リアリティがなく、自分に合いそうにない。要するに買う価値がない。しかし、良い本を見つけた。それは毎年発行されていて、必ず表紙に小学七年生の集合写真。中身は「〇月×日」の後に文章が書いてある。日付けは飛び飛びなので、日記ではなさそうだ。また、一人で書いた訳でもなさそうだ。内容は、リアルな成功や失敗例、苦悩や努力などである。何だ、良い参考書が手元にあるじゃないか。

 

◎十一月二十日

 明日の天気予報には雪ダルマが付いていた。今日の部活で十七時から十八時ぐらいまで外にいたが、バットを振っている手がゴム袋をはいていても、かじかんでいた。これから冬本番です。風邪をひかないように気を付けたい。冬休みは楽しみなことがある反面、それまでに乗り越えなければいけない障壁もいくつかある。その大きなものに第二中間テストがある。最近のテストで私は奮っていないが、今回のテストではでは1,2,3位を含めた上位の人が科学の甲子園全道大会のため不在である。そのため普段は絶対にとれない1,2,3位が空いている。今回はいつも以上に頑張っていきたい。それが終われば、少し楽しい予定があって帰省となる。
 地震後、家には一度も帰省していない。小さい頃から親しんできていた物がいくつか無くなったようなので、少し心配だ。そういう色々なことがあった一年だが、また過ぎていき、新しい年がやって来ます。まず今年の残り四十一日を一日一日頑張っていきたいです。

 

◎十一月二十七日

 後期第一中間が終わったばかりだが、次の後期第二中間まであと十一日しかない。我が部屋の平均や部屋順位を見たが、毎回のテストで徐々に合計点がよくなってきており、一回目のテストは最悪だったが、後期第一では六位まで浮上した。前期は俺ともう一人が足を引っ張りまくっていたが、後期からは「自分も上がる側にならなければ」と思って勉強してきた。その結果、今回9科目中、8科目の平均を上げることができた。しかし、部屋の平均は越えたが、自分的にはあまり満足はしなかった。なぜなら、学年の平均を越えたのは、9科目中、4科目だけだったからだ。前の順位よりは少し上に行き、高校になって初めて赤点もなかった。それは確かに嬉しい。でもまだまだだ。僕はまだ上にいけると思っている。この後期第一中間を経て、今までにない感情が湧き出たのがすごく嬉しく思っている。前まで物理は「興味がなく、めんどくさい」と思っていた。しかし、今では物理を楽しいと思い始めた。現国も前期末と比べて後期第一で25点も上がり、「次は20点上げたい」と思うようになった。古典も数学も色んな科目が楽しく感じられるようになってきた。昔の俺ではありえないと思ったが、何と事実だ。次のテストは、前回の後期第1中間の反省を生かし、残りの日数、過去最高得点を取れるよう一生懸命頑張っていきたいと思っている。


 

◎十一月三十日

 今日の朝、グラウンド側の自分たちの部屋の窓から外を見ると、グラウンドが一面雪で覆われていた。あまり積もってはいなかったが、真っ白でとても美しかった。北海道での色々な自然災害の夏が終わり、秋が過ぎ、この雪の景色から「冬になったな」とはっきり感じた。 今日で11月が終わり、明日から12月になるのと同時にテスト週間に入る。前期での悪かった成績を巻き返すためにも、とても大事なテストだ。冬休みが目前だからと言って気を抜かず、結果を残し、良いクリスマス、良い年末、良いお正月を迎えられるようにしたい。 今年一年間は本当に色々なことがあり、たくさんの人に迷惑をかけた。本当に申し訳ないと思っている。でもこれまでのミスから自分は成長して、1日1日を全力で過ごすことができるようになった。もし痛い目にあっていなかったら、今のようなヤル気は起こらなかったと思う。だから、今の気持ちを継続して2019年を過ごそうと思う。





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