高2寮生日誌


◎七月四日

 今日はテストが終わったので部活があった。久し振りの練習だったので、正直休み期間中は身体を動かしていなかったので、付いていけるか不安でしたが、やっぱり無理でした。さらに途中から雨が降ってきたので、土が服に付いて、すごく不快でした。しかも靴擦れをして、痛くて走れませんでした。 練習が終わった後で、顧問の先生に自分はこれから何をやっていけばAチームに居続けられるか聞いたら、「弱気の根性を直せたら」と言われました。でも、「根性を直せ」と言われても、いまいちピンときません。たぶん、「弱音を吐くな」ということなのでしょう。中学の頃から、ずっと言われ続けているので、さすがに直したいとは思うのですが、いざ、キツイ状況になると、強気のことは言えません。花園に行った先輩たちは、たぶんここで言えるんじゃないかと思います。僕も弱音を吐かずに、全国まで行きたいです。



 

◎七月八日

 やっと定期試験が終わり、今はとても浮ついていると思う。もうそろそろ勉強を始めていかないといけない。危機感が芽生えてきた。だが、いざ自習時間になると、全く勉強のヤル気が出てこない。気付いたら机の上に伏せて寝てしまっていることもある。時には本を手に取っていることだってある。
 最近、部活の先輩で文転した先輩がいるのだが、その人から色々と文転の良さを教えてもらった。高三になると、理系はとんでもなく難しくなると聞いた。しかも僕の将来の夢的に文系にいた方が絶対に良い。じゃあなぜ二年の頃から文系に行かなかったというと、理系の方が頭の良い人が多かったからだ。だから理系に行くことによって、勉強環境が確立すると思った。今とても大学共通テストを受けて大学に行くか、推薦で行くか迷っている。しかし、友人には指定校推薦は逃げと言われ、どうしようもない。どうしよう・・・

 

◎七月八日

 最近、私が読んだ本は、児玉光雄の「勉強の技術」です。この本は効率よく学習するために科学的学習法を基に説明したものです。その中でも私が参考になったのは、「ミラー・ニューロン」というものでした。ミラー・ニューロンとは、例えばアクビをしている人を見て、無意識にアクビをしてしまうことや、料理番組を見ていたら、お腹がすくなどといった、他者の行動を自身の脳に映すような反応を鏡に見立てていうものです。ミラー・ニューロンは、自分の行動の「運動」情報と他人の行動の「感覚」情報を結びつけるという高度な役割を果たしていて、それはつまり、他者の感情が心を推測する力の源泉になっているかもしれないらしいです。そのことから勉強に関しても、一人で勉強するよりも優秀な人と一緒に勉強することによりミラー・ニューロンが働いて成績アップに寄与してくれるそうです。寮生活もそうです。同じ志を持つ生徒が一緒に勉強するという環境がお互いのミラー・ニューロンを刺激し合う事になり、成績の向上にも結び付くはずです。そのためには四人部屋の中でミラー・ニューロンを活用する環境づくりに努めることが求められるわけです。なので、私も環境づくりも勉強の一つとして努めていきたいと思いました。

 

◎七月十五日

 七月十二日に軟式野球の大会があった。高校三年生にとっては負ければ引退、勝てば全道出場のキップを手に入れることができる試合だった。相手は函工で強さが未知数だったので、ある意味恐ろしかった。今大会は、ラ・サールと有斗との連合チームで一ヶ月前から合同練習など日々大会のために練習をしていた。試合当日、午後から試合開始だったので、午前中から緊張していた。試合直前になると心臓が飛び出そうなくらい緊張した。自分は先頭打者だったので、とにかく最初は粘って四球をもぎとった。七回途中で腰をケガしていたので交代した。試合は二―二のまま延長にもつれ込み、タイブレークで一点を勝ち越して勝利した。ラ・サールの校歌が球場内に流れているとき、流石にウルッときた。最後の最後まで気の抜けない試合だったので、心身共に疲れた。晴れて全道に行くことができたが、浮き足立っていると、足元をすくわれる、地に足付けて練習していきたい。勝った日は夢なのか、現実なのか分からず、寝られなかったが、とりあえず全道に行くことができて本当に良かった!!!

 

◎七月十九日

 今日はA君と一緒に朝七時四十分くらいに寮を出て昆虫採集に行きました。ミヤマクワガタの雄と雌を捕まえました。捕まえた後は、しっかりリリースしました。とても楽しかったのですが、雨が降らなければもっと良かったです。来週も行くと思います。来週は晴れてほしいです。 自分は体操部なのですが、最近バク宙がキレイに出来るようになったのと、一回捻りが出来るようになり、とてもうれしいです。毎日練習していたので、やっとできました。次は、鉄棒で大車輪をキレイに出来るようにしたいです。今も一応できるのですが、形が雑だったり、力を使ってやっているので、力を使わずとも出来るようにしたいです。
 今年の夏はとても涼しく、過ごしやすい日が多いので、いつもより勉強に集中できてとても良いです。来週は五時間授業なので、放課後がいつもより長くなり、昼寝をしたり、勉強する時間が増えるので、とても嬉しいです。コロナのせいで色々予定が変わったりしていますが、異例な事だからこそ、しっかり勉強しようと思います。



 

◎七月十九日

 今日は午前中にワンゲル部の高三追い出し登山があった。自分が入部してから今までずっとお世話になっていて、最後は大きなものにしたかったが、コロナの影響でテントが立てられないため、近場での登山となりました。昨日からの雨が続き、加えて霧が発生していたため、視界がとても悪く、決して良いコンディションではなかったが、雨の中の登山はあまり体験していなかったので、個人的には楽しい登山となって良かった。レインウエアを着ているため、内部が蒸れて通常よりもかなりキツかったですが、その分、頂上に着いたときの達成感は格別です。
 午後は同じくワンゲル部で、今度は同級生とトレーニングとして函館山を登りました。ロープウェイ乗り場までだとトレーニングにならないので、中一のときの遠足と同じコースを歩きました。そのとき雨は止んでいたのですが、湿度が高く、背中とザックの間が濡れている感覚が気持ち悪かったです。楽なコースとはいえ、朝の登山での疲れがだいぶ溜まっていて、キツイ傾斜は結構体に堪えました。これから毎週、函館山に登り、体力を付けていきたいと思います。

 

◎七月二十一日

 目まぐるしかった一学期ともようやくオサラバできそうだ。寮に戻ってくるなり、チューター活動が始まり、休む間もなく中間テストがあった。ましてや部活動とも両立せねばならなかったので、心身ともに疲労と睡魔に襲われる毎日だった。だが、こんな毎日にも終わりは訪れる。七月二十三日にチューター団解団式が予定されているのだ。ようやく終わるという達成感がある反面、もう少し一年生と話したかったという寂しさもある。あと二日間しかないが、最後まで気を抜かず、しっかりとやり遂げたい。
 そういえば今日は七月二十一日。八月七日から始まる夏休みまで後少しだ。例年であれば、昨日が終業式で、今日からはダラダラライフがスタートするはずだった。朝も昼も夜も、誰にも咎められることなく、ゆっくりと眠れる清々しい毎日、中学時代の友達と街中で遊んだり、テレビゲームで遊んだりする毎日。本来であれば、こんな日々が私を待っていた。しかし現在はコロナ渦真っ只中。ノコノコと外で遊んでいる訳にもいかない。私が恐れているのは、夏休みに入った全国の学生がコロナウイルスを拡大させ、第二波・三波が到来、それのせいで函館ラ・サールの休校期間が延長されて、また遠隔授業が始まってしまうことだ。遠隔授業は、そこそこ真面目に見れば、かなり有効的に活用できるが、私のような集中が続かない人間は、どんどん溜まっていき、結局、学校再開直前に慌てて見て、自分の首を絞めてしまう。それに加えて、一日中ブルーライトが目に入って視力が落ちてしまう。だから、だいぶ緩和されたとはいえ、緊張感をもって生活する必要がある。

 

◎七月二十三日

 先日行ったリクルートのスタディサプリによる進路調査の結果が戻ってきた。それによると私はゲームプログラマーの適性が高いらしい。また適性があるであろう職や学問にメディア関連のものが多い印象を受けた。情報を人に伝える仕事というザックリとしたイメージからバラエティー番組とかドラマとかテレビメディアだけでも伝える情報に厚みと幅がある。また、非常に多くの人が関わってできているというのも想像しやすく、割と特殊な仕事だと思う。
 人に何かを伝えるためのメディアということだが、自分は身の回りの人たちに自らの事をしっかりと伝えられているだろうか?この文章一つとってもそうだといえる。語彙の中から場面に合わせたものを選び、適当な助詞で構文して抑揚をつけてハッキリと音にする。話すという行為はとても行うべきことが多くて誤解も生まれやすいし、間の取り方でも相手に話を聞いてもらえなくなることがある。寮教諭の先生も毎回の放送を聴いていれば、各々に癖があることが分かる。普段通りの喋り方で喋る先生、内容を整理しないで話始めるのか、要旨がつかみにくい先生、スピーカーを通すには大声過ぎる先生、話し方に気分が表れる先生などなど、人の話し方など無限大であるからとても興味深い。と同時に自分の話し方に悪いクセはないかと気を付けたいと思う。

 

◎七月二十四日

 世間がCOVID-19で騒がしい中、函館は、函館ラ・サールはどこか蚊帳の外な感じが否めない。もちろん他人事にしてはいけないのはそうだが、アルコール消毒、マスクの着用などはもはや習慣として生活のルーティーンになってしまっているし、寮生活という状況ゆえに「常に緊張感を」という訳にもいかず、呑気に考えている生徒がほとんどだろう。僕自身もそうだ。実際、函館に患者はいないようだし、COVID-19の新規感染者が全国で何人で、東京で何人で、増えただの減っただのと第三者目線で観察するだけで、それよりもそれによる夏休みの帰省の心配が専らだ。今回の夏休みは、帰らない人も多いようだが、寮生にとって帰省は一大イベントの一つであるし、気持ちを新しくし、モチベーションを上げる機会でもあるので、僕は帰りたい。フカフカのベッドで寝たい。美味しい物を食べたい。エアコンのある部屋でゲームしたい。たまには欲望に負けて好きな事を好きなときに好きなだけやる時間が必要だ。寮生活で学ぶ事も多いけど、それ以外のことも同じくらい多い。高校生のうちに貴重な体験ができて本当に良かったと思う。

 

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