高校1年寮 寮生日誌より
四月二日
今日学校で入学式があった。と言っても、僕ら内進にとっては一つの通過点でしかなく、ここから三年間かけて大学に入るまでの準備をする。
さて、話は大きく変わるが今年の函館はおかしい…。というのも四月二日の時点で雪が二センチ位積もるという、とてもおかしな気候になっている。そして結構寒いのだ。最高が五度を超えないとかおかしすぎる。そして新入生が二十六人しかいないのもびっくりした。
また話は変わるが昨日(十一時四十分)に新元号が発表された。「令和」である。正直言ってどうかと思った(良いと言っている人には申し訳ないが…)十分以上遅れてきたからインパクトの強いものかと思ったのだが。まあ、そんなこんなで新しい一年が始まった。自分の夢が叶えられるよう、日々精進していこうと思う。
四月五日
今日で寮生活五日目となります。正直まだ慣れていません。常に時間を意識し、一人の時間が少ないという、自宅とは異なった生活で気が抜けません。しかし、悪い事ばかりではありません。例えば食事をするときです。その時は同じ班のメンバーと話すことが出来ますし、夜は内進生とも話すことが出来ます。また、入浴するときも野球部の先輩とその日の練習について話したり、他の先輩とも話しました。特にラグビー部の先輩から何度も誘われて戸惑いました。
ところで、入寮してからの五日間、僕は志していることがあります。それは入寮式で副校長がおっしゃった「人にされて嫌なことは絶対にしない」という言葉です。これは論語にもある言葉でもあり、僕が幼い頃から母に言われてきた言葉です。難しいことですが、このことを普段から意識して生活していきます。それに加えて、僕が意識していきたいことは相手の良いところを見つけ、それを教えてあげるということです。集団生活ですから、相手の行動一つ一つが目に入ります。自分の苦手な事、好まないことをしているのを見てしまい、表面だけで相手を嫌ってしまうかもしれません。しかし、裏を返せば相手の素晴らしいところやかっこいいところ、面白いところを見つけられるということです。
これからの三年間、学習・部活・生活習慣、その他活動を通して自分自身を磨き上げて、自分のするべき事、してはならないことを意識し、後悔のない、かけがえのない寮生活を築き上げていきたいです。
四月七日
先日、同学年の友人がグラウンド側の窓下のゴミを清掃していました。そこはよく窓からゴミを捨てる人が多く、いつもゴミが落ちています。私も汚いなと思っていましたが、自分から率先して掃除する事に対して意思が弱く、することはありませんでした。私も率先して外の清掃を行う傍ら、外にゴミを捨てないよう部屋員と共に行動したいと思いました。又、新しい学年となり自分の意思で何事も善悪を考えて判断し、行動するようにしたいと思いました。それから勉強面でも義務自習以外で勉強したいです。高校生になってから生活の環境や時間が大きく変わりました。その中で勉強と遊びのメリハリをつけて生活していきたいと思います。
四月十一日
寮生活を始めてから十日が経過し、もう少しで二週間が過ぎようとしています。毎日八時間以上寝ていた自分にとしては七時間弱の睡眠は慣れるまで大変だった。入寮前、唯一不安だった友人関係についても、明るく、そして優しい人たちに恵まれ楽しい生活を送っている。地元の友人たちは先日入学式だった。ここではインターネットが使えないために簡単に連絡は取れないが、次に会う時が楽しみになってくる。
また、寮での食事はとても美味しい。満足はしているが母の手料理も食べたい…。帰省したら何を作ってもらおうか。自宅生の中には寮の中には娯楽が少ないという人もいるがそんなことはない。日々の生活に楽しみを見つけられたら、どんな生活でも満足できると思う。まさに住めば都だ。個人的には土日の午後三時頃大きな風呂を独り占めし、夜ご飯の時まで昼寝をすることが一番好きだ。
ここは勉強にも集中できる環境になっていると思う。毎日、最低でも三時間以上の学習時間が確保されているので、真面目に取り組めば授業に取り残されることはないと思う。あと、授業が楽しい。英語表現、古典、化学がオススメできる。
二週間もすればゴールデンウイークだ。十日間のお休みの後には初めての定期テストも控えている。不安はあるが、休みの間は怠けず、帰省前の二週間は自分なりに一生懸命頑張りたい。
四月十四日
大部屋のメンバーで昨夜行った会議から一夜明け、今日はそのことが皆の間で話されていたようだ。各班の班長による七時過ぎのミーティングや、自習室内のホワイトボードには「良い点」「悪い点」を書きだすなど、早速各所で動きが出ている。ちなみに「良い点」は十七個、「悪い点」は十九個も挙がっていて、皆お互いによく見ているなと思った。個人的には矛盾している点がいくつかあるのが気になった。しかし、こうしてすぐに行動に移せるのが僕らの強みだと思う。個人的には今の高三の先輩方のような明るい集団になるのが理想だ(しかしメリハリははっきりつけるべきだ)
そんな明るく、仲良く、お互いに気持ちよく暮らし、すごい行動力を持つ高一、高二、高三になれるよう個人的に目標を持ち、理想の立派な寮の「一員」として認められるように生活していく。しかし、そのためにはとにかく自分のことは勿論のことだが、だんだんと自分の周辺にもこの事を発信し、上から目線というわけでは決してないが、模範となり、いつの日か皆を引っ張っていけるようになりたい。
四月二十三日
テストまで十五日となった。単位の為にも頑張らなくてはならない。そして四日後には大抵の人は(僕も含め)帰省だ。退位とか即位とかの関係で十日間もある。この期間が今回のテストの結果につながる気がする。この十日間をサボったらとても悲惨な結果を迎えるに違いないが、この期間を使えばかなり良い結果になるはずだ。なので、勉強をしたいと思うがいざとなると非常に難しい。なぜなら家は誘惑が多いからだ。「家に帰ったら勉強するぞ」と思っていても、現実となったらいつの間にか、ぐだぐだしていて難しいのだ。それでテストの点数が下がるのは安定のパターンだ。多分大抵の生徒はそうだと思う。
休みというのは頑張れば良くなるし、頑張らなければいつもの失敗しかない。個人的な経験だとその中間はないので誘惑に負けず、頑張りたいと思う。
五月七日
十連休という例年より長いゴールデンウィークも明け、帰省していた寮生たちはここ函館へ再び集結した。時代も平成から令和に変わり、世の中の動きも変わってきている。ゴールデンウィーク中、おそらくここにいる外進高一のほとんどが羽目を外し過ぎたであろう。自習時間の前から必死に課題に取り組んでいる姿が見受けられた。まあ、なんだかんだいって休暇というのはそういうものである。だから、休み明けの今日くらいは義務自習が無いんじゃないかとわずかな希望を持っていたが、そう上手くいくものでもない。なんといっても九日後の五月十六日には高校生活初めての定期テストがあるのだ。つまり、少なくとも今日から勉強を始めねば「ヤバい」状態に陥ってしまうということである。特にゴールデンウィーク中羽目を外し過ぎた人は尚更だ。明日からは本格的に学校が始まる。
入寮・入学して早くも一か月。次第にこの生活にも慣れてきている。だが、油断は禁物だ。思いもよらないところで説諭を受けたり、テストでは赤点を取ってしまう恐れがある。次の休暇までは二か月あるが、この二か月の使いようによっては短く感じたり、逆に長く感じたりするだろう。友達と遊ぶのか、勉強に明け暮れるのか、部活に打ち込むのか。全ては夏休みまでの二か月で試される。
五月十五日
高一最初のテストは明日で最終日だ。テスト三日目は現社、英会話、物基となっている。一日目、二日目よりは比較的やりやすい教科だと思う。今日の古典は問題数が多かった。それをカバーできるような教科がテスト最終日にある。現社と物基だ。理科、社会は他の三教科よりも短時間で点数が上がる。自習を真面目に取り組んでテスト最終日を締めくくりたい。
テストが終わるとテスト前日よりだいぶ気が抜けると思うが、忘れがちなテスト復習もしっかりやりたい。最終目標は大学合格なので復習は非常に大切だ。次のテストが意外とすぐにあるので次の準備もしっかり実行していきたい。第二中間は一年の計画表上、短めなので少しずつやっていこうと思う。
高校になって変わった教科は、英語が二つに分化したコミュニケーション英語と英語表現だ。内訳は六十点・四十点となっていて一つにまとめられて評価される。そしてOCは副教科ではなくなった。他にも国語も古典と国語総合となった。結果、今までよりももっと大変になった。学年が上がるにつれて学習内容も深まり、難しくなるのでテスト一週間前では足りないと思う。普段はからある程度、基礎的な事は抑えていないといけなくなる。
有言実行で日々を過ごしていく。
五月十八日
最近、将棋にはまっている。自分は師匠のN先生に弟子入りしたが、勝てない。攻めの事しか考えず詰まされることが多い。師匠の顔をつぶすことになるので二度と負けたくない。テストの時も将棋の事ばかり考えていたのかと聞かれたら嘘になるが、それだけ将棋にはまっているのだ。様々な戦法を覚えてもっと強くなりたい。
そういえば今日テストが終わった。自分は少し遅れたが母の日のプレゼントと手紙を送りに行った。ロールケーキだとお客さんにも出せるし、良いと思ったのでロールケーキを送った。そして一か月後には自分のバースデイ。親に感謝してもしきれない。心配されないよう、元気に過ごしていきたい。そしてもう一つ、説諭期間が再び始まった。反省文を書かなくてはならないからではなく、もっと違う理由で真剣に説諭について、私生活について注意して生活したい。
勉強の方はぼちぼちといった感じである。あまり期待できない。なので、次回こそは頑張りたい。最初はどうなることやらと思ったが今は全員が仲良く楽しんでいる。せっかくの土曜日で皆はマンガとドラマに明け暮れている。僕もそろそろドラマが見たい…。明日は地域清掃だ…。起きれるか心配だ…。