高三寮生日誌
九月十六日
北海道全域を襲う地震。そして停電が発生してもうすぐ二週間が経とうとしている。色々な気持ちが巡り巡って頭がおかしくなりそうな経験をしたのも、つい最近のことである。
九月六日のことを今想起すれば、地震の発生直前もしくは余震によって目が覚め、大きな揺れが襲ってきた。死んでしまうかもしれなしれないと一種の不安が僕の心を攻撃した。心拍数が上がった。
停電。人間のちっぽけさを痛感した。電気が無ければ何もできない。トイレもまともにできない。水も出てこない。風呂にも入れなかった。日常で自分が行動してきた土台に「テクノロジー」が存在していた。非日常になったあの時、感謝を知った。
プライベートな話となるが、その週の土曜日、後輩と出かけた。僕の好きなその後輩の自宅にお邪魔した。写真を撮ったり楽しむことで、この震災のストレスを解消できたのかもしれない。夜ご飯もご馳走になった。品物不足の中でやや申し訳ない気持ちもあった。そして、感謝した。帰りに送っていただいた。帰った部屋は僕一人だった。二人は外泊。途端に孤独感が心を攻撃する。
色々な考えが巡った。僕の尊敬するその後輩は、以前も書いた中二のK君だ。僕が最も仲の良い後輩と言っても過言ではない。彼は夏休み中に送ってくれた手紙にこのように綴っていた。「先輩は僕の一番尊敬する先輩です!!!!!」読み返してとても嬉しくなった。しかし、ここから心が自らの暗示により攻撃されていくのだ。
彼は成績がとても優秀だ。そして可愛らしい人なので皆から好かれやすいタイプの人間で、運動もできる。さらには、科学の甲子園にも出場するという。疑問が生じた。自分はそれほど成績は良くない。(確かに中学時代トップ層だったのは他人が認めてくれていたが)そして、僕が尊敬する同級生は、生徒会長で仕事をこなす能力に長けていて、成績も抜群に良い。自分の良い所が見えなくなった。自分の強みが何かわからなくなった。何のためにこの身体を利用してエネルギーを消費しているのかわからなくなった。後輩と遊んだ日のことも思い起こすと、存在しないはずの過去を記憶という脳の厄介な能力によって、今存在しているように錯覚させられた。時間に抵抗したくなった。自分の生きている価値を探したくなって、不安になって、胸が痛くなった。あれは日曜日のことだろうか。
どうして彼は僕を尊敬してくれるのだろうか。今でも少しわからないが、きっと僕が気付かない部分に気付いてくれているのだろう。彼を疑う余地はない。きっと彼は本当に僕を尊敬してくれているのだろう。彼とは同じ大学・学部を目指している。彼は僕についていくと言ってくれた。ここまでバカで能力も何もない僕を尊敬してくれる彼のためにも、必ず合格してやりたいと本気で思っている。
「伝えきれない感謝は現役合格で!」高三が終わるまでのテーマだ。必ず合格してやる。そして、尊敬する後輩K君と一緒に必ず絶対に何としてでも合格する。きっと誰かが予測する未来。打ち壊すのは俺だ。
北海道全域を襲う地震。そして停電が発生してもうすぐ二週間が経とうとしている。色々な気持ちが巡り巡って頭がおかしくなりそうな経験をしたのも、つい最近のことである。
九月六日のことを今想起すれば、地震の発生直前もしくは余震によって目が覚め、大きな揺れが襲ってきた。死んでしまうかもしれなしれないと一種の不安が僕の心を攻撃した。心拍数が上がった。
停電。人間のちっぽけさを痛感した。電気が無ければ何もできない。トイレもまともにできない。水も出てこない。風呂にも入れなかった。日常で自分が行動してきた土台に「テクノロジー」が存在していた。非日常になったあの時、感謝を知った。
プライベートな話となるが、その週の土曜日、後輩と出かけた。僕の好きなその後輩の自宅にお邪魔した。写真を撮ったり楽しむことで、この震災のストレスを解消できたのかもしれない。夜ご飯もご馳走になった。品物不足の中でやや申し訳ない気持ちもあった。そして、感謝した。帰りに送っていただいた。帰った部屋は僕一人だった。二人は外泊。途端に孤独感が心を攻撃する。
色々な考えが巡った。僕の尊敬するその後輩は、以前も書いた中二のK君だ。僕が最も仲の良い後輩と言っても過言ではない。彼は夏休み中に送ってくれた手紙にこのように綴っていた。「先輩は僕の一番尊敬する先輩です!!!!!」読み返してとても嬉しくなった。しかし、ここから心が自らの暗示により攻撃されていくのだ。
彼は成績がとても優秀だ。そして可愛らしい人なので皆から好かれやすいタイプの人間で、運動もできる。さらには、科学の甲子園にも出場するという。疑問が生じた。自分はそれほど成績は良くない。(確かに中学時代トップ層だったのは他人が認めてくれていたが)そして、僕が尊敬する同級生は、生徒会長で仕事をこなす能力に長けていて、成績も抜群に良い。自分の良い所が見えなくなった。自分の強みが何かわからなくなった。何のためにこの身体を利用してエネルギーを消費しているのかわからなくなった。後輩と遊んだ日のことも思い起こすと、存在しないはずの過去を記憶という脳の厄介な能力によって、今存在しているように錯覚させられた。時間に抵抗したくなった。自分の生きている価値を探したくなって、不安になって、胸が痛くなった。あれは日曜日のことだろうか。
どうして彼は僕を尊敬してくれるのだろうか。今でも少しわからないが、きっと僕が気付かない部分に気付いてくれているのだろう。彼を疑う余地はない。きっと彼は本当に僕を尊敬してくれているのだろう。彼とは同じ大学・学部を目指している。彼は僕についていくと言ってくれた。ここまでバカで能力も何もない僕を尊敬してくれる彼のためにも、必ず合格してやりたいと本気で思っている。
「伝えきれない感謝は現役合格で!」高三が終わるまでのテーマだ。必ず合格してやる。そして、尊敬する後輩K君と一緒に必ず絶対に何としてでも合格する。きっと誰かが予測する未来。打ち壊すのは俺だ。