内高1寮生日誌


◎十月三日 C自習室

 一週間程前に僕の机周りを掃除した。実に数ヶ月振りの掃除だった。自慢ではないが、僕の机やベッド周りは汚い。いつも衣類、本、ゴミなどなど種類を問わず様々な物があった。なぜ掃除をしていなかったのか?それは簡単である。掃除をするメリットが分からなかったからだ。だてに長い間、汚い机やベッドで生活をしていない。別に汚くたって快適に過ごせるのだ。汚いなりに物の位置は把握しているし掃除をする時間を他の事に費やせるのだ。しかし、ここは4人部屋である。周りの部屋員はおろか、他の寮生にも「汚い、掃除しろ」と散々言われてきた。最初の頃は、特に何も感じていなかったが、半年ほど言われると、僕の机やベッドが汚いならば、「僕も汚い」という論理に発展し、さすがにそれは不本意だったので、掃除をするに至ったのだった。 いざ掃除をしてみると、過言ではなく心の20%の負の感情が浄化されたように感じた。綺麗とは素晴らしい。少し前の僕なら考えられないセリフだろう。掃除が終わった後、その勢いで掃除機をかけていたら、班員に驚かれていたのも記憶に新しい。今考えると、初めて自分で掃除機をかけたかもしれない。 これからも僕=汚いというイメージを払拭するためにも地道に綺麗にしていく所存である。






 

◎十月五日 C自習室

 帰省まで残り2ヶ月半となった。夏休み明けから今日までの間に2回帰省するタイミングがあったが、部活があったため、どちらも帰省しなかった。そのため次の帰省までがとても長く感じる。寮生活も4年目となり、このような感覚にはもう慣れてしまったが、それでも長く感じる。しかし家より寮にいた方が充実した生活ができると感じる。そのため、寮にいるときは家に帰りたくなるが、家にいるときは寮に帰りたくなる。久し振りに帰寮して友達と話すときの楽しさはゲームなんかの楽しさとは比べ物にならない。そこで改めて4年間毎日一緒に生活してきた友達の大切さを感じる。中学校で3年間一緒に生活していたが、他の高校に外部受験してしまった僕の大親友とも半年くらい会っていない。全体的な数で見れば、40人の寮生のうちの1人が減っただけだが、いざいなくなってみると僕にとって彼の存在がとても大きかったことに気が付いた。今いる友達との残り2年半の時間を大切に過ごしたい。

 

◎十月九日 D自習室

 明後日、10月11~13日に奥尻研修旅行があります。今まで奥尻に行ったことがないので、少し楽しみなところはありますが、津波の被害を受けた土地ということなので、モラルを守って過ごしていきたいと思います。津波と聞いてもあまり実感が湧きませんが、島民の4%がいなくなってしまったというのは、私でも甚大な被害だったのは容易に想像することができます。そして奥尻は自然が綺麗だと聞いているので、そこもとても楽しみです。とは言え、奥尻研修が終わると意外とテストが近いということも忘れてはいけません。羽目を外しすぎず、奥尻研修も楽しみながらテストの準備もしていきたいと思います。

 
 
◎十月十四日 D自習室

 昨日、奥尻島から函館に帰ってきた。この3日間は、貴重な経験でした。中でも1番印象に残った経験は、津波の避難訓練でした。私は避難民確認係という担当でした。全員が避難できたことを確認しなければなりません。最後は一人がいないことに全員が焦り、時間が少しオーバーしてしまいました。3分でやらなくてはいけないのに私達は5分もかかってしまいました。3分は、奥尻に津波が届いた時間です。そのため私達が5分で避難できたと言いますが、実際はもう全員死んでいるのです。どうすればもっと速く行動することができるのか?それは「情報」です。情報を速く伝達することができれば、その分だけ速く行動することができます。情報のやり取りが大事だということがよく分かりました。災害というのは本当にいつ来るか分かりませんし、日本は災害が多いです。死者が一人でも減るように災害対策をしていかなければならないと感じました。

 

◎十月十七日 D自習室

 前期末テストの結果と評点が返ってきた。自分は来年、理系に行くのを決めているため、かなり理数系に力を入れてきたつもりだった。しっかりと力を入れた数学、化学、物理は、点数は高かったし、評点も良かったが、文系の国語や古典があまり良くないのが現状である。今回の古典は、文脈判断が必要な助動詞が多かったのと、自分が古典を後回しにしてきたからか、点数は平均からすると悪くはないが、あまり良くはない結果となってしまった。 私は国立大を受験するつもりでいるが、国語と古典で足元をすくわれる可能性があることが不安だ。この今の国語力では普通にマズい。今からでも本を読んだり、問題を解いたりして取り組んでいこうと思う。得意な教科を伸ばすことも重要なことが分かった前期だった。後期も頑張りたい。



 

◎十月二十二日

 昨日は親が函館に来て外泊した。2ヶ月振りの再会だったが、よく電話していたせいか、そこまで“久し振り感”はなかった。お互い特に変わったことはなくて、強いて言うなら妹の髪型が変わったことぐらいだ。 最近の世の中の一人暮らしをしている大学生のうち、親と電話をしていない人が意外と多いらしい。皆大学生活を楽しんでいるからなのか、遠くで見守っている親への連絡を怠る一人暮らしの大学生が年々増えてきているという。親と連絡を日頃からとっている姿は一見「まだ親から離れられていないの?」と誤解されがちだが、そのような考えをする人は、親子間で連絡がとれていない際のデメリットに気付いていないから言えるのだと思う。親子間の連絡にはメリットしかない。連絡して何が悪い。逆に連絡しない方が非常にまずいのである。
 連絡を日常的に取っていない親子が巻き込まれるのが、いわゆる「オレオレ詐欺」である。あるマスメディアの調査によると、オレオレ詐欺の際に犯人側が偽って名乗るのはだいたいその対象者の子供、孫であることが多く、親子間での連絡が少ないばかりに犯人が予め調べた子供の名前だけで相手を信用し、お金を振り込んでしまうということが非常に多いという。日常的に連絡をとるだけで、そのような犯罪にはまず引っ掛からないし、何より自分の親なのだから、日頃から連絡をとっておくべきだろう。ちなみに、オレオレ詐欺に引っ掛かった人は、だいたい「私は大丈夫」と言っていたという。慢心はよくない。


このブログの人気の投稿