高校三年寮 寮生日誌(12月23日)

 1223日(金)

 プルルルルル、プルルルルル。ガチャッ。「もしもし、函館ラサール高校寮です」「あ、こんばんは、B**の△△をお願いします」「B**の△△さんですね、少々お待ちください」B**の△△さんがいる部屋の番号を探し、呼び出し用のインターフォンでその部屋にコール。「(ピンポーン)もしもし、B**の△△さんはいますか」「いませーん」部屋にはいないとのこと。ならば<全体放送>の出番。特定の操作ののち、「(ピンポーン)B**の△△さんは高校n番にお電話です」暫し待つと、電話機のランプが<待機>の赤から<通話>の緑に変わった。繋がったようだ。ミッションコンプリート(ドヤ顔)。

 高校三年生は、先日平常授業が完全終了しました。そして本日は本校の講習会が終了し、共通テストまで残り約二十日となりました。このような中、私は何故か「ヒミツの寮トリビアvol9」を書いています。確か一ヶ月ほど前に終了宣言した筈なのに…あれ?さておき、今回は「電話当番」についてご紹介申し上げます。

 電話当番は、高校一年生が担当する当番です。毎日19時~19時半と23時~2350分に、電話交換手のように保護者の方々からの電話と寮生とを「繋ぐ」役割を担います。冒頭のような場面は元寮生の皆さんも保護者の皆様も(後半はともかく)経験がおありのことでしょう。

 トリビア。①「言い間違い」。若冠16歳にとってはドキドキの、電話による応対業務。緊張のあまり、「函館高校ラサール寮」や「函館寮」といった亜種が誕生することがあります。もし言い間違えてしまったら、生温い目で許してやってください。②「インターホン」。上記のような在室確認をすると、別の部屋員が叫んで音をかき消すことがまれによくあります。常識の範囲内で叫んでください。③「逆呼び出し」。呼び出されるばかりの僕たちかと思いきや、実は例外があります。それは、2Fの病室。いつものスピーカーにボタンが付いており、緊急時に先生を呼び出すことができます。いたずらはしないでね。

 以上で「ヒミツの寮トリビア」シリーズは完全終了となります。ここで、ハミダシ回(かつほんとの最終回)ついでに、このコーナーを始めた理由について申し上げて終わりの挨拶と代えさせていただきます。

 このコーナーを書いた理由。それは「高入生の不安の解消」にあります。私はこの寮に入るにあたり、実は非常に不安でした。親元を離れて暮らす未知の環境で未知の人々に出会う、高校という場での学びについていかねばならない、etc。長い春休みの間に抱いていた心配は多岐に亘るものでしたが、一言でまとめるとすればそれは「何も知らないこと」が不安の原因だったのではないかと思います。

 そこで私は、新たにこの高校寮に入りたいと考える人、あるいはそのご家族の皆様に、本校の紹介動画や説明会では語られえないであろう寮のシステムやイベントを、現役の寮生視点である種の現実を伝えられれば、私が最初期に抱いたような不安は多少なりとも柔らげられたり、入寮してからの新生活をシュミレートしやすくなったりするのではないか。このような考え、毎月の日誌当番を口実に連載(?)記事をしたためた訳なのです。(もちろん、文章を書くのが好きだったのもありますが)

 とはいえやはり、文章で伝えるモノよりは、入寮して実際に生身で感じるこの寮の雰囲気には遠く及びません。少し細かいことを言えば、実は私たちは新型コロナウィルスの影響で「本来の」寮生活を知りません。つまり私たちは、かつて先輩方が体験した寮とはかなり異なる体験をしてきたと言えるのです(そもそも全く同じ体験など存在しませんが)。しかしながら、この寮で得られる経験の、根幹を成す部分はきっとどの世代も共通しているのではないか。そんな気がします。この寮生日誌を読んで、上記の(そして今までの記事の)ようなこの函館ラサール高校寮の魅力が少しでも伝わってくれたなら、これほど嬉しいことはございません。今迄大変有難う御座いました。

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