高校三年寮 寮生日誌(11月20日)

 1120日(日)

 寮生活が終わりに近づいている。点呼未確認だのプレートを返していないだの。色々と叱られ続けたこの寮生活も終わりとなると嬉しいようで、どこか悲しい。自分がどんな状況下でもベタベタとひっついて話し掛けてくる友達。服が縮んで帰ってくる洗濯物。ゴムのような肉が出てくる寮飯。不安と緊張から始まったこの寮生活は、どの出来事も外見は良く聞こえるものばかりだった。三年間、僕はそんなことをずっと思いながら胸糞な思いで過ごしていた。だが、三年生になるとやはり意見は変わってくるものだ。大学に入ると、そんなに身近だった友達は居なくなるし、洗濯物もご飯も全て自分でやらなければならない。きっとそれが世間で言う「大人になる」ということなのだろう。ふと考えると、まだ子供でいたい日々が続いてほしいと願ってしまう。こんなにも日々折々感謝で埋まっていく生活を自分は胸糞だと言い続けていたのに。そう、幸せ者だったのだ。自分は。今ではそう感じることしか出来ない。ただ幸せを噛み締めている。むさくるしい文章が続いてしまったが。とにかく、身の回りに味方しかいない生活だった。苦しい時に前を向けば、同じ境遇の友達。笑いかけて元気付けてくれる友達。相談に乗ってくれる先生。時には喝を入れてくれる先生。遠くからでもずっと応援してくれる家族。切っても切れないつながりがそこにはあった。僕にとってここは、唯一自分をさらけ出せる場所だった。どの人達にも感謝しかない。やっぱり、僕はここが好きだ。今なら胸を張って言える。函館ラ・サール学園寮、ありがとう。いつでも僕らのために行動し、背中を押し続けてくれたK先生、ありがとうございました。

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