高1 寮生日誌より
高校生になって初めての速歩が終わった。今日は臨休でみんなそれぞれの時間を楽しんでいた。僕はそれなりに速歩で良い成績を出すことができた。それでも「もっと行けたんじゃないのか?」と思ってしまう。それでも結果は結果。まずはゆっくり体を休めようと思う。そして速歩が終わったらすぐにというか、二週間後位に第二中間テストがある。第一はあまり良くなかったので今回は頑張りたい。目指すは学年一桁(いけるかな・・・)
とまあ、目標は高めに設定してもどこかでミスって没、なんてのが常。そろそろそのサイクルを脱して良い結果を残したい。
そんなこんなでもう六月だ。とはいうものの自宅よりも涼しいし、これで夏休みに帰ると暑くて風邪をひく。何てことが良くある。これはどうしようもないが、あまり体調は崩したくない。心身の健康状態を最高の状態で生活していこうと思う。
六月八日
私が前に日誌を書いてから二十七日が経過しました。そんな二十七日の間に色々なことがありました。GWが終わってすぐに、高校に入って初めての中間テストがありました。中学の頃に比べて教科の数も増え、難易度も上がり不安も増していました。しかし、思っていたより良い点数が取れて安心しました。
つい最近では全長二十八㎞にもなる速歩遠足がありました。坂道、砂利道とてつもなく走りたくなくなる道を越え、地道に走り続けた結果、それなりに満足のいく順位を取ることができました。自分でも走り終わった後、すっきりとした気分になり、良い経験をしたものだなと思います。私は明日、駿台模試を受けることになっています。勝手も分からず、過去問等もできなかったので不安を突き抜けて諦めの境地に立っている位ですが、自分の力を精一杯出して頑張ってこようと思います。また、模試が終わればすぐに第二中間テストが始まります。努力を怠らず、前回に劣らない良い点を取りたいと思います。第二中間テストが終わると学園祭がやってきます。私のクラスでは脱出ゲームを作るのですが、上手く連携が取れていないように思われます。スムーズに進むか今から不安です。上手くリーダーのO君に指揮を執ってもらえるようにしようと思います。イベントがあふれる位、盛り沢山なこのラ・サール学園を今後も楽しんでいきます。
六月十四日
前回この日誌を書いてから早一か月。いよいよ第二中間テスト一週間前となった。前回のテストはボロボロだったので今回は先輩にもアドバイスをいただきながら勉強している。皆も気合が入っているだろうから僕も頑張っていこうと思う。
ところで、テスト終了後にはチューター団が解団してしまうそうだ。「ようやく、約二か月の説諭期間が終わりを告げる時がやってきた!」と思う一方、先輩との接点が一つ減ってしまうのは少し寂しいところである。次は自分たちの番だ。僕はチューターに興味があるが、チェック数が多いので正直非常にマズイ。今後も気を引き締めなければ絶望的だ。ちなみにこの二十六人の中で数人の人がチューターに向いていると思っている。K君やA君、S君なんかが適任ではないかと考えている。彼らを見習って勉強に部活、私生活も頑張っていく。目指すはチューター。「やるしかない!やってやるぞ!」と決意を表明し、日誌を締めくくろうと思う。
六月十九日
私は夏休みにオープンキャンパスに行きたいと思っている。将来獣医を目指しているのだがまだ一度もオープンキャンパスに行ったことが無いのですごく楽しみだ。
親には国公立の大学にしか入っちゃ駄目だと言われており、特に国公立に獣医学部は数少なく、偏差値も高い。そんな中、自分の成績はいっこうに良くならない。自分の意志では成績をもっと上げたいと思っているが、心の片隅で少し欲に負けている所があります。夏のオープンキャンパスを機に、克己心を身に付け、無事に大学に合格し、掉尾を飾れるように勉強したいと思いました。また、勉強以外でも部活や学校行事などにも傾注して、結果を出していきたいです。
七月一日
今年度も三分の一が終了し、七月となってしまった。通常であれば暑さが訪れるはずだが、どうやら訪問が遅れているらしい。そんな暑さを抜き去って、湿気だけが僕たちを襲った。本州を悩ませた停滞前線が僕たちの下に訪れたのだった。
北海道の夏が始まる。グラウンドの周りの草は背を伸ばしてボールの行方をくらませる。十九時でも明るい空を見てどこかへ出かけたくなる。昨日は今年初めて蚊に刺された。チョークの粉が固まって教室の隅に落ちている。掃除がとても面倒だ。乾いた秋が待ち遠しくなる。でも、夏は素晴らしい。田んぼの稲が実り、沢山の虫や鳥が飛び立つ。海や山にも出かけられる。街に出ると、近くの家から香ばしい匂いがする。虹のような眩しい光が見える。家族が喜ぶ声が聞こえる。朝は暖かく、布団からすぐに飛び出せる。昼間は暑く、湿った風が海から吹いてくる。夜は山から吹き下ろす風が冷たくて気持ちが良い。そんな夜は窓を開けたくなる。
学校の庭の木の葉も深いラ・サールカラーで、その色を見ていると平和のありがたさをなぜか感じられる。祭りにも行ってみたい。寮の友人を誘って地元の大きな祭りに行きたい。赤や黄色に光るリングを着けて、蚊に刺されぬよう農道を抜けて近道をして会場へと向かいたい。最後に光る花火を見て大声で叫んでみたい。近所の川の流れる音を聞きたい。去年はスイカを冷やしている家もあった。珍しい家もあるのだと思った。スイカに塩をかけることをいとこに教えたことを思い出した。いとこはかけ過ぎてしょっぱいと笑った。
夏はみんなに会いたくなる。夏休みが来るのが待ち遠しい。でも、僕は夏が好きとは言い切れない。過ぎた時に来る後悔があまりにも大きすぎるから。
七月三日
ついに夏休みまでテストが無い。「やった!」と思っていたら今週末に模試がある。それさえ終われば学園祭以外は何も考えなくてもいい。といった具合で、脳みそも身体も弛緩しきっているためか最近かなり眠い。朝は鐘の音でやっと起きるといった感じで班員は点呼が済んだら朝食も食べずにぐったりと寝ている。みんなもうちょっとましな生活を送ってみてはいかがなものだろうか。ちなみに僕は自習が終われば三十分以内には寝るスタイルだ。部屋員よりも三十分早く寝るのが早いはずなのに眠い…。
この前図書館で興味深い記事のものを見つけたので読んでみた。その雑誌には睡眠のことが大々的に書かれていた。その中には日本人の四割が六時間しか寝ていないことや、アメリカ人の平均睡眠時間は一世紀前と比べて、二時間短くなったことなど、色々あったが、その中に眠らないと満腹を示すホルモンが出にくくなると書かれていた。寝過ぎも寝なさ過ぎもきっと悪影響だと思った。僕は家に帰っても睡眠時間は変わらないが他の人々は日にちをまたぎ、徹夜をしてスマホやゲームをする人もいると思う。高校生になり受験が近いのでもうそろそろやめてみてはどうだろう。
七月四日
今日は模試まで近いからなのか分からないが、自習室で勉強している人が多くみられた。前回の第二中間であまり結果が良くなかったのでリベンジしようとする人、自分の志望校に向けて実力を試そうとする人、ただテストがあるから受ける人。それぞれの受け方によって模試というものは意味が大きく違ってくるので私は「ただテストがあるから受ける人」にならないようにしっかりと前向きな姿勢で志望校合格に向けて取り組みたい。
しかし一方で、大部屋で見ていると夏休みが近くなってきたため、また、学園祭も近づいてきたことによってある特定の人たちが毎回、少し悪さをしているのが過ごしていて分かるので、一緒に生活している仲間としても友達としても、ここは注意し合っていけたらと思っている。チューター団が解団したからといってだらけたり、サボったりするのではなく、団長が言っていたようにむしろここからが本当の始まりだという認識を一人一人が持って、協力して過ごしていきたいと思う。そして、私が最近よく思うのがカラオケは楽しいということです。今度またKさんと二人で七時間歌いに行ってきます。それだけ歌って一人七百五十六円は安い!以上、今日の日誌でした。
七月十日
今日の函館は天気が良かったです。学園祭や帰省が近づき、いよいよ夏です。
今年の夏休みは、帰ったらBSでラグビーの国際試合を一日中見ようと思っていましたが、昨日の自習中に面談があり、その時に大学の事を色々聞いていたら今年の夏休みはオープンキャンパスに行った方が良いと思い、親と相談してみることにしました。これまでとは違い忙しい夏休みになりそうです。学校ではクラブと学園祭のクラス企画で大変です。ダンスを踊ることになりましたが、選んだダンスが難しすぎてまだ十秒くらいしかできません…。これを三分もやるのかと思うとしんどいです。クラブは今週末に秋田に遠征して花園常連校の秋田工業と試合をします。相手は百キロを超える巨漢が何人もいるチームなので、大ケガをしないようにしたいです。
この夏休みではオープンキャンパスに行くことともう一つ目標があって、それは体重を七キロ増やすことです。他の一年生は五キロ増やすと言っていたので、一歩リードして頑張りたいです。
七月十日
早いもので入寮から三か月が経ちました。今日は『七月十日(納豆の日)』です。それだけなのですが、最近体がだるいこともあるので、できるだけ朝食は沢山食べるようにしています。もちろん納豆も毎回欠かさず食べています。元気が出るし、お通じも良くなるので納豆は最強だと思います。卒寮まで毎食食べることは三年間でやりたい小さな事の一つです。目指せ710個!
他にも勉強もそうですが、毎日小さなやりたい事を見つけて、この函館の地での三年間を有意義なものにしようと思っています。例えば、市電を隅から隅まで乗りつくしてみたり、五稜郭へ何度も行ってみたり、元町を歩き回ってみたりと、函館でしかできないことから、皆で何故かとても安いドーナツ屋の食べ放題に行ってみたり、海に行って浜で遊んだりと『ここに集まった二十六人の大部屋メンバー』でやりたいことなどです。意外と考えてみるとこの三年間で小さなやりたいことはものすごくあると思います。ただボーっと過ごすのと、毎日どんな事をしようかと考えて過ごすのでは全く濃さが違うと思います。寮に入ったからできなくなった、ではなく、寮に入ったから、この街に住むからできることを沢山やって人生で最も濃い三年間にしたいです。
七月二十二日
待ちに待った夏休みが今日から始まった。帰省した人は十人。今頃、家でテレビを見ているんだろうなぁと、彼らのことを想像しながら自習をしている。今ふと思ったことだが、夏休みなのに何故義務自習があるのだろうか。夏休みだから義務自習はないだろうとばからり思っていたが、そう甘くはないようだ。しかし、帰省した人たちはきっと今日は勉強なぞしないであろう。よく考えたら、自分にとっては好都合かもしれない。なんせ、今日帰省した人たちは全員学力上位者なのだ。夏休み初日に勉強するかしないかの差は大きいものだと思う。なので、帰省した人たちに追い付くべく、今日は必死こいて勉強しようと思う。
それにしても、今日の外進の自習室は静かである。普段であれば、もっと椅子の動く音や皆の鼻息で騒がしくなるはずなのに、十人も少ないとこんなにも違うものなのか。だから、静かで自習にはもってこいの環境であるのに、逆に落ち着かないのである。とまあ、ここまで色々話してきたが、なんだかんだ言って早く家に帰りたいというのが実のところである。講習は六日間で一コマ当たり七十分。自分は三教科受けるので六日×七十分×三教科で千二百六十分は勉強時間として確保できる。それと、義務自習で百六十分×六日間とプラスアルファ百分×六日間で合計二千八百五十分勉強することになる。これを講習明けも続ければかなり力になるだろう。あ、そういえば、今日は親父の誕生日だ。五十歳おめでとう。